環境保安室情報

アセチレンガス C2H2

高品位の消石灰と灰分のコークスを混合して、電気炉電気抵抗によって2000℃前後に発熱させ、カーバイトと一酸化炭素を得ます。カーバイトに水を加えると、アセチレンが発生し精製後、アセトンをしみ込ませた容器に充填します。不安定な化合物で、0.1MPa程度の圧力下で酸素がなくても火花・加熱・衝撃・摩擦等によって分解爆発することがあります。

アルゴンガス AR

アルゴンガスは、無味・無臭・無色のガスで、希ガスの一つで化学的には不活性です。空気中に約1%含まれる。沸点は、酸素と窒素の中間の-186℃であり、空気液化分離装置の精留塔から比較的にアルゴンの多い部分を抜き出し、別の精留塔で蒸留すると95~98%の粗アルゴンが得られます。
この粗アルゴンの中の酸素は水素を添加し触媒上で水に変え窒素と過剰の水素は更に精留して除き、高純度の精製アルゴンを得ます。

酸素ガス O2

無色・無臭・無味のガスであり、非常に活発な元素で、ほとんど全ての元素と化合して酸化物となり、酸化が急激に起こるときは熱と光を発して燃焼・爆発します。酸素自体は燃焼しませんが燃焼には酸素が不可欠です。このような性質を有するガスを支燃性ガスといいます。酸素は空気中に21%存在します。

窒素ガス N2

空気中に約78%存在する空気は、無色・無臭・無味であり、熱交換機で冷却し液体窒素とし精留塔で沸点差を利用して窒素と酸素に分離され更に精製します。

二酸化炭素 (炭酸ガス) CO2

無色・無味・無臭ガス。やや不活性であり、多くの金属に対し、ほとんど影響を与えませんが水分を含むと炭酸を生じて鋼材を腐食します。アンモニア合成工程の副産ガス、又重油脱硫水素プラントからの副産ガスを精製します。
 

ヘリウムガス He

世界的に貴重な資源であり、現在国内市場に流通しているヘリウムは全て輸入です。アメリカ、アルジェリア、カタール、ポーランド等にある地域に産出する天然ガス中に含まれており、混在する他のガスを低温、高圧にすることによって取り除き精製します。無色・無味・無臭。血液に溶けにくく、深海潜水用人工空気に酸素と混合して使用します。

水素ガス H2

分離精製技術の向上により、原料ガスは従来の食塩電解から石油類の改質や高炉ガス及びコークスガスからもえられるようになりました。無色・無臭・無味で、15~20MPaに圧縮し触媒を充填した脱硫塔で酸素分吸着材を充填した脱湿塔で水分を除去し容器に充填します。その他メタノール製造分解があります。

アンモニア NH3

アンモニアの製造方法は、全て合成法であり、水素3容と窒素1容からアンモニア2容を生成するもので、体積が減少する反応であるために、高い圧力で反応を行わせます。息づまるような刺激臭があり、目に対してきわめて危険です。水によく溶けるので除害材として水が使用できます。

フルオロカーボン (フロンガス)

メタン、エタン、などの炭化水素中の水素をフッ素、塩素などのハロゲンで置換した一連の化合物です。名称は、その構成元素によってCFC-/HCFC-又は冷媒名として、R-のあとに分子式中の原子数の10の位、100の位の数として示されます。地球規模での環境問題となり使用制限が提起され、製造・消費の制限代替物質の開発などの対策が進められています。

亜酸化窒素 (笑気ガス) N2O

無色ですが、わずかに甘い味と臭いがあります。物理的性質は炭酸ガスに非常によく似ています。液体亜酸化窒素はノズルより噴射すると固形のドライアイスになります。製造方法は、硝酸アンモニウムを熱分解、又は硝酸ソーダーと硫酸アンモ二ウムの混合物を230℃に加熱。その他接触酸化による方法。病院での麻酔はこの笑気ガスです。

塩素ガス CL2

食塩水の電気分解によって塩素は水酸化ナトリウムと水素とともに生産されます。隔膜法・水銀法があり、水銀による公害が発生し、現在ではほとんど隔膜法となっています。湿った塩素ガスは多くの金属を腐食させ、完全に乾燥した塩素ガスは常温では鉄と作用しません。極めて有毒で大気に漏れると人畜に影響を与えます。

プロパンガス (工業ガス) C3H8

プロパンの生産は、油田・ガス田から採取された原油や天然ガスからの分離、製油所で原油の精製過程で副生する製油所ガスからの回収、石油化学からの副製品に大別されます。流通面から見た分類では、原油を輸入して国内で精製、その過程で分離されるものと、中近東に代表される油田地区で原油や天然ガスからの分離等がある。空気中に1/1000以上漏れればわかるように着臭されています。

ネオン Ne

分子量20、不燃性。
空気中に約18ppm含まれており、採取源として空気が唯一です。化学的に安定したガスであり、他の希ガスに比べ沸点が低くなっています。電気分離装置の主凝縮器高圧側は低沸点成分である、ネオン、ヘリウム水素等が凝縮せずに蓄積し、その凝縮能力を低下させるため、主凝縮器の頂部から常に適量の窒素を放出しています。ネオンはこの放出窒素から回収、分離、精製されます。

メタン CH4

分子量16、可燃性。
湿地の泥土の中でセルロースなどの有機物が腐敗、発酵して生成されたもので、大気中に0.00022%含まれています。メタンが主成分である天然ガスは海洋輸送と貯蔵の便のために-160以下に深冷液化して天然ガス(LNG)とされ都市ガスなとの燃料として用いられます。炭化水素の内、最も化学的に安定しています。

ブタンガス (工業用) C4H10

分子量58、可燃性。
ブタンの異性体として、ノルマルブタンとイソブタンがあります。単にブタンと言うとノルマルブタンを指します。流通しているブタンの成分は、ノルマルブタンが、60~80%イソブタンが、20~40%と産地によって異なります。

亜硫酸ガス SO2

分子量64、毒性ガス。
無臭・刺激臭で液体は、無色透明。極めて低い濃度でも粘膜を刺激し、長時間吸入すると呼吸器に影響を与えます。水によく溶けて亜硫酸水溶液(H2SO3)となり更に硫酸となるので、材料の選択に注意する必要があります。除害材として、大量の水、消石灰、及び苛性ソーダー溶液が有効です。漂白剤、殺虫剤、殺菌作用、廃液処理等に使用されます。

一酸化炭素 CO

分子量28、可燃性・毒性。
無色・無臭の可燃性ガスなので、ガスの漏洩には十分注意しなければならなりません。強い毒性であり、吸入すると眠気が起こり体温が低下します。許容濃度25ppm。0~300ppm頭痛、400~600ppm眩暈(眩暈)嘔吐、700~1000ppm仮死、1600~2000ppm呼吸困難、5000~10000ppm致死(2~5分程度)

酸化エチレン C2H40

可燃性、毒性。
別名エチレンオキサイド、一般には馴染みの薄いガスですが、自動車には欠かせない不凍液の原料です。蒸発しやすい無色の気体で、エーテルのような臭いがあり高濃度では刺激臭となり可燃性で毒性です。比重は0.87(空気=1)沸点11℃爆発範囲は、3~100%とされている。不安定な性状の為、酸化エチレンの充填容器には、45℃でその内部圧力が、0.4Mpaになるように窒素ガス又は炭酸ガスを充填することが法令に定められています。

エチレン C2H4

エチレンガス----酸化エチレン---エチレングリコール----不凍液。
やや甘い臭いのする無色の気体(液体)で沸点は、-104℃で水には殆ど溶けないがアルコールやエーテルには良く溶けます。エチレンは、ナフサ(工業用ガソリン)に空気を入れずに800℃前後まで加熱し熱分解して作ります。お酒のエチルアルコール(エタノール:酒精)もエチレンから作ります。晩酌の酒がいとも簡単に出来るようです。

キセノン Xe

空気中に僅か、0.09ppm含まれ密度の高いガスを発見(イギリスの化学者)化学的に安定したガスであり、麻酔性があります。水、血液、脳脂質に良く溶けます。最近CTスキャン(X線コンピューター断層装置)用に使用され一般に良く知られるようになりました。照明器具、測定機器封入ガス、X線診療媒体。

クリプトン Kr

大気中に希ガスの1種であり、空気中に約1ppm含まれている。採取源として空気分離が主で希ガスキセノン、ヘリウム、ネオンと比べ沸点が高く、水に対する溶解度も大きいです。安定したガスであり、真空放電により緑色がった黄色に発光します。電球、ハロゲンランプ、蛍光電球、計数管。最近では、テレビのPDP(プラズマディスプレー)用として放電効率をアップの為、発光ガラスに利用。また断熱性能が空気の3倍もあり、断熱ガラスも市場に出ています。